子供の人生に影響を与えるしつけについての記述がありました。
第6章「はみ出す人こそ時代をつくる」の中に、ある調査についての記述がありました。
社会科学者であり教育研究家のサミュエル・オリナーとパール・オリナー兄弟は、ユダヤ人大虐殺で、ユダヤ人を救った人たち(行動者)と、助けるには至らなかった人(傍観者)の違いを比較した、というものです。
"育って来た環境や教育などにはユダヤ人を救った人たち(行動者)と、助けるには至らなかった人(傍観者)には、さほど違いはなかった。"
ただ、違っていたのは、"親が悪い行いに対してどのように戒めたか、そしてよい行いをどのように褒めたか"ということでした。
行動者になった人たちの親の決定的な違いは、
しつけの際にわけを話したり、説明したり、悪い行いに対してつぐなう方法を提案したり、助言したり、つまり、
親からよく「説明を受けた」ということだそうです。
"「言い聞かせ」をしつけの方法として用いた親は、
傍観者のグループでは6%に留まったのに対し、救助をした人(行動者)の親では21%にも及んでいた"
わけをはなし、言い聞かせる事で、
相手を尊重しているというメッセージを伝え
分別をわきまえ、理解し、成長し、改善していけるちからがその子にあると、親が信じていることを子供に表明していたことが"行動者"を育てる親の特徴だと書いてありました。
"行動者"の一人はこう答えたそうです。
"母は〜(中略)〜間違ったことを心で理解させようとしたのです"
また、創造性豊かな子の親にも、この"しつけの際にきちんと説明する"という点は共通しており、
規範を示して、道徳や誠実さ、敬意、好奇心、忍耐力といった価値観に触れながら、何が良く何が悪いのか、親自身の考えを子供に説明する。
しかし、あくまでも、
「自分で自分なりのルールをつくり上げなさい」と強調していた、、
これらは、私達、ilo キタトミライ アフタースクールでも、常に重要だと考えている点です。
細かいルールを示すより、幹となる思いやり、誠実さ、礼儀を心で分かってもらい自分で判断できるように指導し、子供達に接しています。
"救助をした人(行動者)の親は
「自分の行動がまわりの人に及ぼす影響」を考えるよう促し、それは、
誰かの行動で傷ついている人の苦悩に意識を向けることであり、弱い者への同情の気持ちが深まると子供が理解し、
自分自身の行動が誰かを傷つける可能性もあるということや、適切な「罪悪感」という良心の二面性を持つことに繋がる"
とありました。
そして、"そのような道徳的規範は、子供が正しい行いをした時、親がどのように声をかけるかによって形成される部分がある"そうです。
正しい行いの実際の"行動"を褒めるよりも、
「他の人を助けたいと思っている、人の役に立てる子だね」と、"人柄"を褒められたこの方が、それらを自分のアイデンティティの一部として取り込むのだそうです。
これは、アイデンティティが形成され始める重要な時期に強く影響し、
ある研究では、人柄を褒められた8歳の子供には道徳的な行いが増えて、5歳や10歳の子供には増えなかった。
つまり、
アイデンティティの形成時期に"人柄"を褒められると、長く心に残る
と書かれていました。
私達は子供を育てるときにどんな人間になって欲しいか、いつも自問自答すると思います。
最近は何が正しいのか報道も疑わしいと感じる事があります。
「当たり前」に疑問を持ち、問題に立ち向かい、実行し、変えていく勇気、流れに逆らう不安や恐怖をはねのけて「オリジナリティ」を持った人になってもらえたら。全員ではなくても、数人に一人でも、心に響いてくれたら嬉しいと思います。
私達も、良書や経験から学び続ける事で、子供達に良いヒントを示せるよう努力したいと思います。
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