地域で見守る ilo-イロー kitatomirai アフタースクール

奈良市北登美ヶ丘で、地域に密着した学童保育を2018年4月からオープンしました。地域で様々な年齢の人たちが共に学び、発見し、お互いに見守る場所を創造していきます。

子供との関わり

 

子どもの脳を傷つける親たち (NHK出版新書 523)

子どもの脳を傷つける親たち (NHK出版新書 523)

 

耳を塞ぎたくなるような、虐待のニュースが連日のように流れています。

この本では、虐待とは、命を脅かすような虐待だけではなく、「しつけの一環」として、生活の中に溶け込み、習慣化しているようなものも数多く存在し、それらは一見、残虐性が感じられず、暴言など、ひっそりと目立たない類の虐待の事を書いています。

 

それらは、「マルトリートメント(不適切な養育)」として、詳しく説明されています。

「虐待」という言葉では、偏ったイメージが先行し、「自分や家族の問題に当てはまらない」「虐待というほどではない」と考え、行為そのものが見過ごされてしまう可能性も指摘されています。

虐待には、以下、大きく4つに分かれるそうです。

①身体的虐待

性的虐待

③ネグレスト(育児放棄)

心理的虐待

言葉の暴力などは、④に当てはまります。

大人の側に加害の意図があるか否かにかかわらず、また、子供に目立った傷や精神疾患が見られなくても、行為そのものが不適切であれば、「マルトリートメント」となります。

 

そして、これらの行為は、それらの不適切な養育による過度なストレスにより、①の身体的虐待ではなくとも、子供達の柔らかいスポンジのような脳が"物理的"に傷つき変形することが、指摘されています。

 

体罰を頻繁に受けた脳を詳しく調べた結果、前頭前野が萎縮したり、身体から脳の視床を経て、大脳皮質の感覚野に「痛みを伝える神経回路」が細くなるという研究結果なども詳しくありました。

(以上、著書より引用)

 

他の人の研究結果を集めただけの本ではなく、

著者である友田明美先生が実際に研究したり、親子と向き合った結果を詳しく書いてあり、著者本人の子育てにおいても言及されていて、具体的で、わかりやすい本でした。