地域で見守る ilo-イロー kitatomirai アフタースクール

奈良市北登美ヶ丘で、地域に密着した学童保育を2018年4月からオープンしました。地域で様々な年齢の人たちが共に学び、発見し、お互いに見守る場所を創造していきます。

河合隼雄さんの本

臨床心理学者であり、「子どもの本」に造詣が深く、文化庁長官などを歴任された

河合隼雄さんの本を読むといつも子供や若者に対する暖かいメッセージを感じます。

 

河合隼雄の“こころ”―教えることは寄り添うこと

河合隼雄の“こころ”―教えることは寄り添うこと

 

 この本は、2004年4月号から'06年9月号まで連載した「子どもの心、教師の心」を中心に構成。教育改革の荒波の中、小中学校において教師はどのように子どもを導いていけばよいのか、について、河合氏のアドバイスを得ていきます。テーマについては、その時点で特に注目されていた教育課題を取り上げています。(小学館HPより引用)

 

なかでも私が印象に残ったテーマの一つは、

「読書を楽しむ」です。

河合さんが実際に行った子供に読書を楽しんでもらうための工夫が紹介されています。

””朝の10分間の読書を行い、子供たちに落ち着きが出たり、相当な効果が出た・・・このとき、成功の要因になったのが、「子供に自分の好きな本を選ばせたこと」「読書感想文を強制しなかったこと」。読書感想文はいい面も持っているが、最初から強制すると、読書のモチベーションが弱まったり、それが気になって、書物のなかに入り込んで読むような姿勢が生じ難くなったりする、””とありました。

確かに、少しの時間でも、集中して、書物や物語の中に入り込むということは、

相手の気持ちを考えたり、情景を浮かべるといった想像力が養われると思います。

 

””「読書ツアー」という会を試み、合宿してそれぞれが好きな本をよむという会を催した。自分の読んだ本の中で、自分の好きなところを皆の前で少し朗読してもらう、・・・ただ読むだけのようだが、読む人の気持ちも、もちろん著者の意図も、短時間の間に伝わってくる・・・このとき大切なことは、先生も一緒に読むこと、子供たちは先生の読書の姿からいろいろ感じるに違いない”””とあります。

自分の選んだ本の自分の好きな部分をみんなの前で朗読するとは、素敵な経験になりそうですね。

他にも「学力」「基本的生活習慣」についての部分は、

世間で良しとされている”教育”は子供にとって本当に必要なことか考えさせられました。

「小説を読む」では、小説 小川洋子著『博士の愛した数式』が紹介されていました。

映画も河合さんは薦められており、早速拝見しました。

博士に√(ルート)とあだ名を付けられる小学生と博士の交流が描かれています。

子供に対する愛情、あ~、このように子供は大切に大人が見守って育てていくべきなのだなと感じました。また、「数」のもつ魅力について、誰にもわかりやすく描かれていました。

 

最後には「親子で読みたい本リスト」児童書編と絵本編も掲載されています。

学校の先生はもちろん、子を持つ方にもぜひおすすめしたい本です。